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「道が渋滞してないといいけど…」
車のエンジンを付け時計をしきりに見ながらNAOTOさんを待つ
上手くいけば間に合いそうだ
「TOSHIごめん!」
少し息を切らしながら助手席にNAOTOさんが乗り込んで来た
「大丈夫です。じゃあ車出しますよ」
「あぁ、頼む」
アクセルを強く踏み込んで急いでTV局に向かう
「間に合うかな~」
心配そうにNAOTOさんが呟く
「渋滞さえしてなければギリ行けますね」
オレまでHIROさんに怒られるのはごめんだ
極力周りに車がいない時は飛ばしながら行く
といっても朝のこの時間帯、道が混んでいない訳が無い
焦りながらも慎重に運転を続ける
「あっ、NAOTOさんシートベルトちゃんとしてくださいね」
いくら急いでいるとはいえ、安全には気を使わなければいつ何が起こるか分からない
「おっ、普通に忘れてた」
NAOTOさんは慌ててシートベルトを着ける
「オレ後2年でゴールドなんで、たかがシートベルトごときで逃すのなんて嫌ですからね」
「おいおい、オレはどうだっていいのかよ」
もちろんそんなわけではない
「まさか、NAOTOさんにもしものことがあったら困るに決まってるじゃないですか」
オレがそう言うとNAOTOさんは少し照れくさそうに、「おぅ」と言った
「今日も1日頑張りましょうね」
TV局までは後もう少しだ
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