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「おっ、見えてきた」
ようやくTV局が見える距離まで辿り着いた
時間は…よしっ、十分間に合う
信号機を1つ待ち、TV局の駐車場に入る
すぐさま入口の警備員にパスを見せ、指定された番号の所に車を止めた
「NAOTOさん急ぎますよ」
エンジンを切りすぐさま楽屋に向かう
エレベーターに乗る時、鏡に写る自分の姿を見てNAOTOさんが微妙な表情を浮かべる
「やっぱキャスケットじゃなくてハットにすれば良かったかなぁ…」
そういえば家を出る時オレはこの状況を予想して2つとも用意してあったはずだ
「ハットならオレが持って来たバックに入ってますよ」
「マジで!?」
NAOTOさんの顔が驚きの表情に変わる
「まぁそれは楽屋に着いてからにしましょう」
楽屋の階に到着し、オレとNAOTOさんは全力で走って向かう
「おはよう…ございます…」
結構な距離だったため2人とも息が切れている
なんとか8時ちょうどに着いたものの、やはり常識的にはちょっと余裕を持って来るべきだ
HIROさんはNAOTOさんとオレに気付き笑いながら挨拶をしてくれた
「おはよう、もう少し余裕を持って来れるといいな」
良かった…、怒ってはいないようだ
「すみません、TOSHIがちゃんと起こしてくれてたんですがオレがなかなか起きれなくて…」
NAOTOさん…
普通こういうのはマネージャーであるオレの責任のはずなのに、NAOTOさんはオレに責任が行かないように言ってくれた
「まぁ最近忙しいのもあるしな。でも次は無いぞ」
HIROさんがそう言うとNAOTOさんはもう一度、「すみません」と申し訳無さそうにした
「じゃあオレは別の部屋行ってくるんで…」
マネージャーといっても側近のように常に近くにいるわけでもなく、他の仕事があるためオレは違う部屋へ行くのだ
「あぁ、ありがとな」
「何かあったら連絡してくださいね」
そしてオレは部屋を後にした
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