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結局オレは楽屋に戻る
「はいNAOTOさん、持ってきましたよ」
家から持って来たバックをNAOTOさんに手渡す
「ちゃんとハットも用意してあるなんて、さすがTOSHIだな」
逆にオレの予想通りのことをするNAOTOさんに、オレはさすがですと言いたい
NAOTOさんはバックからハットを取り出し鏡の前でチェックをし出す
どうやらご機嫌のようだ
「どんだけ朝急いでたんだよ」
前の席からTETSUYAさんがオレとNAOTOさんを見て言った
「TOSHIがちゃんとオレの気分に合わせて服を出してくれなかったんですよ」
…なんですと?
すかさずオレは反論する
「NAOTOさんの今日1日の気分なんてオレが分かるわけないじゃないですか」
そもそも早く起きれば済んだ話だ
「こんなに一緒にいるのに、分からないなんて…」
と、NAOTOさんはため息をつく
「ボディーソープの詰め替えの場所すら知らないで、裸で風呂場から出て来たのは誰ですか?」
NAOTOさんの表情が一変する
「ばっ、それは…」
NAOTOさんとオレのやり取りを見て他のメンバーの人達は大爆笑だ
こんな所で言うなよ、と言わんばかりにNAOTOさんは顔を赤くしてバツの悪そうな表情を浮かべた
慌ててオレの口をふさいで他のメンバーの人達に弁解する
「お前ら面白いな」
HIROさんは笑いすぎて少し涙ぐんでいる
「あっ、HIROさん!!ちょっと待ってください!!これには深いわけが…」
裸で出て来たのは事実だから弁解の余地もないけれど
「も~、勘弁してくれよTOSHI~…」
「事実なんで仕方無いですね」
楽屋はしばらく笑いが絶えなかった
NAOTOさんが必死に理由を説明してる姿がちょっと可哀相だったけど
…まぁこんな日もあっていいだろう
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