日常編

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1 Ill lack pupil and ten virtue  一か月の終わりは、好きじゃない。矢切篠助は、憂鬱な思いで、端の方に正座をしていた。  篠助の家、矢切家は武士道家である。つまり、日本でも有名な家。そこに、彼は婿養子として嫁いできた。 本当は嫌だったのだ、こんな束縛だらけの人生は。 一か月の終わりには、必ず全名家が集まって報告会議をする。 その後、宴会なども少々。 序列が一番低い篠助は、関わりに行くのももはや面倒くさく、端の方でじっと会議が終わるのを待つだけだった。 35歳にもなって恥ずかしいと自覚はしているのだが、勇気はない。 だから、今日も端の方でじっとしているばかりだった。それで会議が終わる…はずだった。  「隣、いーでっすか」 どかっと、返事も待たずに金髪の男性が隣に腰をおろしてきた。騒いでいる他の人間たちは、篠助たちの事を誰も気にしていない。  「えっと……」  「凶児っすか?三端です。三端凶児。おみくじの『凶』に、児童の『児』。矢切さんの、夫ですよねぇ」  「あ、えぇと、はい。矢切篠助です」 三端、と聞いて篠助はすぐに礼儀を正す。すると、凶児がクスクスと笑った。 そして、嬉しそうに口を開く。
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