序章 激変する生活

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 生徒会選挙数日後のとある休日、生徒会での活動に追われる平日とは違い、休日はすこぶる暇だ。  千秋は鈴ちゃんの家に遊びに行ってしまったので、商店街の辺りまで散歩でもしようかと思い家を出ると、すぐ隣の家から見知った人物が出てくるのが見えた。 「裕一さん、おはようございます」 「ああ、おはよう亮介くん」  中学からの悪友、久世裕二(くせゆうじ)の実の兄、久世裕一(くせゆういち)さん。  兄弟なのが信じられないほど、裕一さんは裕二と違って誠実で真面目。大人のお兄さんって感じだ。  スーツを着込んでいるところを見ると、これから仕事なのだろうか。 「お仕事ですか?」 「うん、今回はかなり長めの出張になりそうなんだ」  どんな仕事をしているのかは聞いたことがないが、裕一さんは度々泊まりこみの出張があり、家にいることの方が珍しいくらいなのでなかなか会う機会がない。
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