三章 些細なすれ違い

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 俺はどうしてこんなにもヘタレているんだろう。  朝、二年二組にある自分の席に座って頭を抱える。  百合ちゃんの泣き顔に動揺して、あからさまに百合ちゃんをさけてしまった。  こんな時こそ、孤独を感じさせないよう気にかけてあげないといけないのに……  そもそも、なんで百合ちゃんは泣いていたんだろう。 「わけわかんねえことだらけだ」 「どーかしたの? 変な顔して」  抱えこんだ頭を無理やり持ち上げて前を見てみると、そこには心配そうに顔を覗かせるクラスメート、咲崎楓(さきざきかえで)の姿があった。  咲崎は百合ちゃんととても仲がいいし、なにかいい解決案を出してもらえるかもしれない。  それに、こういうことは他人に話しちゃえば自分一人で溜め込むよるずっとスッキリするものだ。
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