四章 終幕、それは新たな始まり

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「は? お前ら、付き合ってるんじゃないのか?」  いらぬ誤解を生むまいと、薫に俺と百合ちゃんがそういう関係ではないことを伝えると、薫はまるでUMAでも見たかのような驚愕の表情を見せた。  俺としては逆になぜそういう関係に見られるのか、不思議でならないくらいなのだが…… 「いつも一緒に帰ってんのに?」 「今は同じ家に帰ってるんだから当然だろ」 「手作りの弁当作ってもらってんのに?」 「まあ、百合ちゃんは優しいから」 「新山は久世の従姉妹のことをなんとも思ってないと?」 「まあ、妹みたいな存在だとは思ってるけど……百合ちゃんの方もだいたいそんな感じだよ」 「……新山ってさ、存外鈍いよな」  またそれか。咲崎といい、失礼なやつらだ。
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