四章 終幕、それは新たな始まり

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 放課後……  いつも通り百合ちゃんと帰宅する予定なのだが、今日はなんの用事もないとかで裕二も一緒だ。  無駄に長い担任の話を聞き終え、百合ちゃんと共に教室を出て校門に向かう。  この際によく比泉からの妨害があったりもするのだが、今日は大丈夫みたいだ。  特に障害もなく校門に辿り着けたにも関わらず、百合ちゃんを待たせる結果になってしまったのは間違いなく長いホームルームが原因だろう。 「お待たせ」  校門の隅に寄りかかって立つ百合ちゃんに声をかけると、彼女は振り向いて微笑。その後俺の後ろに裕二の姿を見つけると、それは途端に嫌悪の表情に変わった。 「さ、帰ろうか」 「……うんっ」  自然に俺の隣にポジションを取る百合ちゃん。  俺達の後ろをついて歩く裕二は若干苦笑いを浮かべていた。
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