手紙と許婚

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……これ、言うべきか言わざるべきか。 美咲の様子を堪能してたなんて言えないよな…… 「その……あれだよ。 二人でいる時間っていいなぁ……って思って」 「…………はぅ。 そ、そんなこと思ってくれてたんですか」 顔を赤くする美咲。 やばっ……全然、回避できてない!! 「そ、そうだ! そろそろ風呂に入りたいなぁ」 声が裏返ったのは……うん、気のせいだ。 「そうですね。 じゃあ、入りましょうか」 そう言って美咲は立ち上がった。 ……あれ? 俺が……入りたいんだよね?? 俺が、入りたいって言ったんだよね……? 美咲も入りたいの……? ……二人で? 「そんな、ご冗談を!」 つい、叫んでしまった。 美咲は驚いて、俺のことを見つめた。 やめろよ……照れるだろ。 うん……なんか変だね、俺。 「どうしたんですか? 急に叫んだりして……?」 純粋無垢な瞳が俺を見つめる。 ごめんなさい、神様……俺が悪でした。 「ごめんな……先に入りたかったら入って来ていいぞ」 「……えっ、一緒に入らないんですか?」 …………なんですとっ!?
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