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さぁ、ついにやってきました夏休み。
待ちに待った高校生活二度目の夏休みが、今日からスタートです。
そして今日が誕生日の俺、山崎 憂は素晴らしい朝を迎えております。
――ピンポーン
突然、インターホンが鳴る。
「宅配便でーす」
「……はぁーい」
ベッドから這い出ると眼鏡を探した。
女の人の声だった。
女性の社会進出が進んでいることはいいことだ。
黒い淵の眼鏡を探し出すと、玄関へと向かった。
お決まりのTシャツに短パンというラフな格好だ。
寝癖でぼさぼさの頭を掻きながら鍵を開けドアを開ける。
「こんにちは、お届け物です」
目の前の女の子がそう言って深くお辞儀した。
「…………」
「えっと、まずこっちがお母様からの手紙です」
女の子はしょっていたリュックから、一つの封筒を取り出した。
「どうぞ……今、読んでください」
背中の辺りまで伸ばした茶色い髪が、とても似合う……正直に言ってかなり可愛い女の子が封筒を渡してきた。
ホントに母さんからだった。
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