手紙と許婚

4/31
前へ
/80ページ
次へ
後ろの窓から注がれる光が美咲さんを優しく包み込んでいた。 やべ……可愛すぎる!! とりあえず、テーブルを挟んだ真っ正面に座ってみる。 すると美咲さんは優しく微笑んで話し始めた。 「とゆうわけで、今日から憂さんの許婚として頑張りますんで、よろしくお願いします!」 はい、よろしく…………ってなるわけないだろっ!! 「ちょっと待てよ! 急に来られて、はいそうですかとはならないだろ普通」 「そうですね……では、まず自己紹介からしますね。 私は神崎 美咲と言います。 山崎 憂さんの許婚としてやって来ました」 そう言ってにっこり笑うと美咲さんは軽く頭を下げた。 へぇ、許婚っているんだ…………じゃなくて!! 「そうじゃなくて、母さんは何を企んでるの? 何のために君をここまで来させたの?」 俺が少し強めに問い詰めると、美咲さんは困ったような顔で大まかな成り行きを教えてくれた。 「許婚の憂さんだから言いますけど、私……孤児だったんです。 お母様は私のいた孤児院にいくらか寄附してくれていて…… たまに孤児院に訪問してくれるんです。 そしたら、お母様が…………」 ―――――――― ――――― ――
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1611人が本棚に入れています
本棚に追加