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「そこのあなた!
うちの息子の許婚に決定!!」
月に一回は来てくれる山崎さんが、急に私に向かって指を指して言った。
「え、え、えっ!?
ど、どうゆうことですか?」
もちろん、きょどってしまう私。
高校一年生になったばかりの私には、事の重大さがわからなかった。
山崎さんはゆっくりと私に近づくと、私をぎゅっと抱きしめてくれた。
「美咲ちゃん、もしあなたがよかったら、うちのバカ息子と結婚してやってくれない?」
「へっ!?
け、け、結婚ですか!?」
恥ずかしい……おもわず声が裏返ってしまった。
「うん、ちょうどあなたと同い年なの。
母親のあたしが言うのもおかしいけど、結構イケメンよ……写真見る?」
山崎さんは私から放れると、ポーチの中から一枚の写真を取り出した。
わぁ……かっこいいなぁ。
写真を見た素直な感想だった。
でも…………
「どうして、私なんですか?
私よりもっと可愛い娘なんて、たくさんいるじゃないですか」
山崎さんはフフッと笑って私の頭を撫でてくれた。
「あたしはあなたが気に入ったの……それ以上に理由が必要?
絶対、憂もすぐに受け入れてくれるわよ」
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