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でも……正直、どうしたらいいのかわからない。
山崎さんは心から受け入れてくれているんだろうけど。
孤児院の皆以外に心を許す事が怖い……
そもそも、こんなにかっこいいんだから彼女いるだろうし。
急に許婚だなんて言ったって、不審に思われるだけだろうし……
どうしたらいいんだろう……
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「そして、迷いに迷って約一ヶ月前に許婚になることを決めました」
天使の微笑みを俺に振り撒く美咲さんは、なんか信じられない事を言ってのけた。
「しかも、一ヶ月も前に決めたのにお母様が『どうせなら一ヶ月後の憂の誕生日に行きなさい』って言うんで、この一ヶ月ずっとムラムラ……じゃなくて憂さんに会いたくてウズウズしてました」
そうか……俺に会いたくてムラム……じゃなくて、ウズウズしてたのか。
……可愛い奴め。
って、これは完全に相手のペースに流されている!
「よし、大体の話の流れはわかった。
ただ、本当に美咲さんが俺のことどう思ってるのかは、わからない。
だから、この件は保留!
つまり今すぐ帰ってくれない?」
いくら可愛いからって、俺の誕生日をぶち壊す権利は無いはずだ。
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