手紙と許婚

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誕生日は本屋に行って、面白そうなやつ全部買ってくるって決めてんの! そんな至福のひと時を、許婚なんかに邪魔されてたまるかっ!! 「あ、あの……?」 俺が美咲さんの事を忘れて、物思いにふけっていると、美咲さんが怖ず怖ずと手を挙げた。 「はい、美咲さん!」 俺は教師になったつもりで、ビシッと指さした。 「は、はい! ……あの、美咲さんじゃなくて……美咲って呼んでもらえませんか?」 …………ぅん?? この人は話を聞いていたのかな? 出ていけって言ってんのに、美咲さんだとか美咲とか……どうでもいいんですけど…… とりあえず、俺は立ち上がって玄関のドアを開けに行った。 「さぁ、どうぞ……お帰り下さい美咲様」 俺はドアを開けて深々と頭を下げた。 「…………はぅ」 そんな俺を見てあいつは顔を赤くして、変な声を出した。 「……なるほど、執事さんタイプなんですね……ますますかっこいいです……」 なんかぶつぶつ呟いてるけど、全然聞こえねぇや。 いつまでもぶつぶつ言ってるが、いい加減俺も我慢の限界だ。 美咲の所まで戻ると、強引に手を引いて立たせる。 あれ……今、呼び捨てしちゃった? まぁ、いいか……
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