*5* 肩ごしのひまわり。

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「先生のすぐうしろ…。ほら……男の人が…」 「えっ…?」 塚本先生の顔がひきつった。 先生って、この手の話ダメなのかなって思ったけど続けた。 「ほら…よく見て?若い男の……頭から血が……」 「ええっ!?」 …完璧びびってる…。 男のくせに。 「うそ。」 「えぇっ!?」 「ばっかみたい。本気でびびっちゃって。疲れたから、ちょっと休憩。」 固まってる塚本先生を横目に、保健室を出た。 出たとたん、むわっとした暑い空気が身体を覆う。 そんな、不快感よりも何よりも何よりも さっきのひまわりが頭から離れない。 ひまわりは嫌いなの……… ″あやめみたい″ って、お兄ちゃんが言った。 だから……世界で1番嫌いな花…。 「なぁ…浩子……?」 「はい?」 「…なんか見えるか…?俺の背後……」 「あんたに女盗られた男の霊なら見えるかもね。」 「……別に…盗った訳じゃねぇし…。寄ってくるんだ…女が…。」 「………………………。」 「…おぃ…。ツッコめよ浩子。」 「学校で浩子って呼ぶなって。塚本武人。てゆーか、窓閉めてよ。冷房つけてんだから。」 「……はぃはぃ。すみませんね…。三宅先生。」
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