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*4* 告白。
受験勉強から解放されて、
晴々とした気分で高校に入学して、
学校にも慣れてきて、
新しい友達もできて、
季節は梅雨に突入してて。
夏休みに向けて、
そろそろ彼氏が欲しいなぁ
なんて、友達同士でガールズトークで盛り上がる。
「あやめは?中学ん時、カレシいたの?」
「ん?うーん…。いたけど自然消滅?先輩卒業してから音沙汰無し。よっぽど楽しかったんだろーね。高校が。」
「へぇ。年上と付き合ってたんだ。どこまでいったの!?」
「どこまでって…。
まぁ付き合ってって言われたから付き合ったけど、得に何するって訳でもなく……。うん。若かったね。」
「なにそれ。付き合ってたって言えんのぉ?やけに冷めてるし。」
春奈との恋愛トークに花を咲かせながらも
来週から始まる期末テストの事を考えると気分は最悪だった。
勉強は苦手。
とゆうか、好きじゃない。
中間テストも最低だったし。
そんな私に陸が声をかけてきた。
「あやめ!今日一緒に帰ろ!」
「あれ?部活は?」
「今週は休み。テスト前だし。」
「あぁ、そっか。でも私、スーパー寄って帰るけど?」
「スーパー!?」
「4時からタマゴ安いの付き合ってくれる?」
「おっ…おぅ…。」
陸の顔が赤い気がしたけど、暑いからだろうと得に気に留めなかった。
カートにカゴをセットして、目的の品物を入れていく。
隣を歩く陸は、なんだかそわそわと落ち着かない。
「どーしたの?スーパー苦手?」
「いやっ…んなコトないけど……」
「そう?…なんかお腹空いたね。お菓子買う?」
タマゴをカゴに入れて、駄菓子のコーナーに来た私達。
「チロル好き~?」
ってゆう、私の問い掛けに
「好き」
って答える陸。
「うまい棒は?」
「好き」
「ポテトフライは?」
「好き」
そんな、掛け合いを繰り返す。
しばらくして、陸が黙り込んだ。
「陸?」
しばらくの沈黙の後、陸が口を開いた。
「俺は……あやめが好きだ…。……俺と…、付き合ってくれる?」
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