*4* 告白。

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付き合ってくれる?って 陸の問いに、 「うん」 て答えた。 得に迷う事も無く。 「えっ?ほんとに?」 「うん」 少し肌寒いスーパーの中、私の体温が少し上がったのが分かった。 陸は、暑いのか 汗をかいているようだった。 私達二人、しばらく黙ったままお互いがお互いを見てた。 顔を赤らめて。 半笑いで。 ……お菓子売り場で。 沈黙を破るように、声がした。 「ねーちゃん?何やってんの?」 弟の賢悟(けんご)だった。 「けっ…賢ちゃん!?」 真っ赤な顔をした高校生が二人。 きょとんとした中学生が一人。 周りでは小さな子供達が、きゃっきゃと騒いでいる。 我に帰った。 お菓子売り場で何やってんだろ…。 ……恥ずかしすぎる…。 「賢ちゃん!帰ろう!お菓子が欲しいの?おねーちゃんが買ってあげるっ!」 「まじで!?ポテトチップスがいい!」 「オッケィ!じゃねっ!陸!また明日!」 「えっ!?帰んの!?」 早く、この場から離れたくてレジへ急いだ。 「俺邪魔した?」 「べつに…」 「今日ご飯なに?」 「オムライス♪」 「今の人カレシ?」 「んー?ヒミツ…」 熱くなったほっぺたを、自分の冷たい手で覆った。 高校一年生、初夏。 カレシができた。
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