*5* 肩ごしのひまわり。

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とにかく、落ち着かなきゃって思って 浩子先生が出してくれた冷たい麦茶をごくごくと飲んだ。 それを見ていた塚本先生が私に訪ねた。 「…おぃ青井あやめ。死にそうなくらい気分悪いんじゃなかったか?仮病か!? ケンカする元気があるんなら教室戻るぞ!」 「…うそじゃないもん…。私 ほんとに血ダメだもん…」 「ふーん……どうだか。」 それを信じたのか、信じなかったのか…… 塚本先生は呆れたような返事をして保健室の窓をカラカラと空けた。 塚本先生の、肩の向こうにひまわりが見えた。 「おっ。ひまわり咲きそうじゃん。大きく育ったな。」 そう言って塚本先生が、ひまわりをつついた。 大きく伸びた、ひまわりのつぼみが小さく揺れた。 その光景を、じっと見てた。 なんで…… なんで窓開けるの…。 せっかく冷房効いてるのに。 窓なんか開けるから 見たくもない花…見えちゃったじゃん……。 黙り込んで、顔色の変わった私に塚本先生が気付いた。 「青井?」 「塚本先生……うしろ…。」 「はぁ!?」
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