城ケ崎 真希

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私は無我夢中で階段を駆け上がっていた・・・ 頭の中は真っ白で、気づいた時には屋上にいた。 肩で息をし、心臓の鼓動が脈打ち、耳を伝う。 そして、もう逃げ場が無いことに気づくのだった・・・ .・.・.・.・.・.・.・.・.・.・.・.・ ピッピッピッピッ・・・・・ 甲高い電子音によって彼女は眠りから覚めた。 嫌な汗が、体とネグリジェを密着させ、不快感をます。 彼女は呼吸を大きくし、ベッドから起き上がるとカーテンを開けた。 横から入る日差しが彼女の整った顔だちを照らしだし、黄金色の細くシルクのような髪がキラキラと輝いている。 彼女の名は城ケ崎 真希(ジョウガサキ マキ)桜三坂(サクラミサカ)高校に通う女子高生だ。 学年は二年、クラスはB組。 行事や企画があれば、率先して仕切るタイプでクラス委員。 父がIT企業の社長だという理由から、姫なんてあだ名がついている。 また、クラスは違うが、親友の今野 林檎(コンノ リンゴ)からはヒーちゃんと呼ばれている。 そんな彼女の日常を、大きく変える事となる事件が起きたのは、この後すぐの事だった。
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