城ケ崎 真希

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19〇7年12月17日 私の机の中に一冊のノートが入っていた。 ノートの表には大きく 未来ノート と書かれてあり裏には小中と書いてあった。 表紙を開いて中を見ると赤黒い文字でこう書いてあった。 わたしが何をした。 なんでこんなめにあわなければならないんだ。 こうなったのも全部あいつらのせいだ。 絶対に許さない。 2ページ目には同じく赤黒い文字で未来ノートと表紙に書いてあった理由となる文が書いてあった。 一、 邪悪なる者集いし所 大蛇に睨まれし兎が垂れ下がる。 3ページ目には 二、 邪悪なる者集いし所 飛べない蝶が宙をまう。 わたしは怖くなってそのノートをごみ箱に捨てた。 始めは誰かのいたずらかと思っていた、しかし小中さんがクラスでイジメられていた事は事実であった。 そして自らの死を予知していたかのような文章であった。 この時ぐらいからであった、リンゴの体調が悪くなり始めたのだ。 顔色が悪くなり汗をよくかくようになっていた。 声をかけても反応がない事もあった。 そしてなによりも私に対して敵対した態度をとるようになったのだ。 私が、幸平くんと話しをしようとすると割って入ってきたり、やけに幸平くんの近くに行こうとするようになった。 そして、不審な行動をするようにもなった。 自分の髪をブチブチ抜いたり、急に高笑いしだしたり。 リンゴがリンゴではなく全くの別人のようであった。 19〇7年12月19日 学校からの帰り道、私が信号待ちをしていると後ろから突然、突き飛ばされたのだ。 ちょうどトラックが右から来ていて、私は最悪の状況を想像した。 幸いにも、ギリギリの所で当たらずにすんだ。 信号が青になり音楽が鳴り出しだころ、私は地面に倒れた痛みに、こらえながら起き上がった。 そして目にしたのは、横断歩道を渡りきったところで、リンゴがこっちを見ながら笑っている姿だった。 私は翌日、リンゴに詰め寄った。 「昨日あなた私を道路に突き飛ばしたでしょ」 「えっ?なんの事?わたししらなーい クスクスクス」「私がヒーちゃんにそんなことするわけないじゃん☆ヒーちゃんおかしーい クスクスクス」 昨日あそこにいたのは確かにリンゴだった。けれど、考えてみれば、リンゴが私を殺そうとするだろうか・・・・ 最近のリンゴは少しかわったし、あのノートの事があって気がはってるだけなんだと私は思った。image=317666370.jpg
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