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19〇8年1月6日
新年最初の部活があり、幸平くんに会うのも久しぶりなので私はテンション上がりまくりだった。
幸平くんの練習風景を見ながらうっとりしていると後ろから頭を小突かれた。
「おい城ケ崎!しっかりしろ」
渡辺監督に注意され我にかえった私は球だしの手伝いをするのだった。
部活がおわり幸平くんと二人でかえる。
「幸平くんピッチング随分良くなったね~」
「そりゃ毎日走ってるし投げ込んでるからな、かわらなかったら困っちまうよ」
「姫は最近変わったことあんの?」
「そーなの、なんか変なノートが机に入っていて、それも、この前、学校で首を吊ってた小中さんのみたいなのよー」「あと、最近リンゴがおかしくなっちゃったのよ、私なんかこわいわ・・・・」
「大丈夫だぜ姫、俺がなんかあったら助けてやるから」「それに、今野のやつなんも変わりないぜ」
「そお?わたしの考えすぎかなー・・・」
私は少し心に、もやもやを残しながら幸平の手を握りしめた。
「あっ!」
「どうした?」
「私、学校に忘れ物しちゃった」「先に帰っててくれない?」
「俺も付き合おうか?」
「迷惑かかるしすぐに済ますから先に帰ってて平気よ」
「そお?じゃあ、お言葉に甘えて。
んじゃっ気をつけろよな」
「分かってるわよ・・・・心配してくれてありがと」
私は照れ臭くて顔を少し伏せ今歩いてきた道を逆に走った。
学校についたころには空は暗くなっていた。
走って教室までむかい机に置いてあるポーチを取ってすぐに帰ろうとした時だった。
薄暗い廊下の奥でリンゴらしき人ともう一人男がなにか話し合っていた。
「私これから何すればいいの?」
「お前は俺に言われた事をそのまますればいいんだ。」「この前はへましてたけど今回は失敗するなよ」
「大丈夫、やってみせるよ」
この前?この前ってまさか道路に突き飛ばされたあの事?
「幸平くんのためだもん私がんばる♪」
えっ?えっ?
いま幸平くんって言った?
えっ?幸平くん私を殺そうしているの?
えっ?なんでえっ?
「今度はこれがあるから大丈夫」
ひゃっ!
私はリンゴが取り出した短いナイフをみて驚き、声を出してしまった。
「誰だ!」
「あっヒーちゃんだー クスクスクス」
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