21人が本棚に入れています
本棚に追加
キーンコーンカーンコーン
コーンキーンカーンコーン
「ヒーちゃん おっはょー」
教室に入るなり、リンゴが飛び付いてきた。
「おはよーリンゴ。こうも毎朝、飛び付かれたら、背が縮まるじゃないの。」
「いーじゃんいーじゃん☆」「ていうか、それって私に対する侮辱だなー」
小柄な彼女は私にぶら下がる形で地面につま先をつけ、ピョンピョンと跳ねている。
―――――
彼女の名前は今野 林檎(コンノ リンゴ)。
学年は二年、クラスはC組。
小柄で元気一杯な真希の親友である。
―――――
「ねーねー 見てよあれ」
そう言ってリンゴは教室の後ろの方を指した。
彼女の示す方に視線をうつすと、教室の端の席に座っている女子生徒が、こけしサイズのモノを片手でにぎり何かしている。
「ねー、気味がわるいでしょ?」「ずっとあーしてるんだょー」
「そうですわねー。彼女は、いったい何をしているのかしら?」
「なんか家から気味悪い日本人形もってきちゃってさー、髪の毛を一本一本むしりとってるらしいの・・・」
「ヒーちゃん。ここのクラス委員でしょ?
なんとか言って、止めさせてよー」
「いや・・・ですわ。・・・・周りに迷惑をかけてる訳じゃなさそうですし。」
「ほうって置いても・・・・大丈夫ですわ。」
小中さんの行動は、あまりにも奇妙で不気味だった。
小中さんとは関わっていけない。彼女は、この時、直感していたのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!