城ケ崎 真希

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19〇7年12月8日 昼食を食べ終わった時、事件は起きた。 学校で首吊り自殺の死体が見つかったというのだ。 それも私のクラスの小中さんだった。 あまり会話もしたことがなかったし、暗く地味な雰囲気だったので、当初は騒ぎになったが、すぐ無かったかのように忘れさられていった。 また、私にはそんな事件と裏腹にとても良い出来事があった。 幸平くんに告白されたのだ。 私は「そこまで言うなら、付き合ってあげてもいいわよ。」とひねくれた返事をし、交際がはじまった。 この前、リンゴを呼び出していたのは私について相談していたらしいのだ。 リンゴは私たちにとって、恋のキューピッドだった。 「ヒーちゃんおめでとう♪」 「ありがとうリンゴ♪」「幸平くんと仲良くなれたのも付き合えたのもリンゴのおかげだわ。」 「まったく。素直じゃないんだからヒーちゃんは」「好きだったって先におしえてくれたらよかったのに~」 「ごめんなさい、恥ずかしくて言えなかったのよ」 「そっか。これからもしっかりやっていきなさいよね!」 「分かってるわ、絶対幸せになるわね♪」 それからというもの、私の平凡な日常は一変した。 はじめて男の子と手を繋いで歩いた。 最初はドキドキして知り合いを見つける度に、手をはなしてしまったり、お互いの距離を離してしいた。 しかし、気が付けば互いの内側の手(私は左手)を触れさせながら体を寄せ歩くようになっていた。 今ではこっそりキスだって出来る。 デートにも行った、時々リンゴも一緒に三人で出かける事もある。 私は幸せで一杯な日々をすごしていた。 このノートが届くまでは・・・・
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