一限目【1年7組】

2/30
前へ
/38ページ
次へ
校舎へと伸びる一本道は、満開の桜を両脇に抱えて煌びやかな春色を映しだしていた。 心地よい風に吹かれ、僕の目の前に舞い散る桜を見て思う。 この季節は四季で一番素晴らしい時期だな、と。 桜が散りきってしまうのは早く、春を満喫できる時間は短い。 だからこそ、一層その価値感があがる。 僕は毎年、そんな風なことを考えていた。 あ、ポエマーじゃないよ。単純に春が好きな健全たる学生だよ。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加