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 まだ幼さを残すカフの顎の輪郭と華奢な肩のラインを、細い首が繋いでいる。その下で露にされた平坦な胸とあまり筋肉のついていない薄い腹部をシザーの視線が辿り、ごくりと喉を鳴らす。  少年の肌は暗闇の中で発光しているかのように白かったが、彼ら白色人種のものとは違う、ミルクに蜂蜜を混ぜたような暖かい色合いだった。  シザーの両手が衣服に構っているのを良いことにまた顔を背けていたカフは、けれども次の瞬間弾かれたように自らの下半身を見た。 ――し、信じらんないっ!  まさかいきなり下穿きをいっぺんにひっぺがされるだなんて思ってもいなかった。  よっぽど余裕がないらしく、シザーは乾いた唇を舐めつつ早急に自らのベルトのバックルをかちゃかちゃと外し始める。 「え、ちょっと……」 ――まさか。  嫌な予感がして、シーツを巻き込みながらずり上がる。  少年が逃げ切る前にその細腰を捕らえ、サイドテーブルに用意されてある潤滑剤をシザーはおざなりにカフの下腹部にぶちまけた。 「ひっ……」  慣れているはずのその冷たさに息を詰めて動きを止めてしまう。その隙に、シザーは投げされていた少年の両足首を掴み。 「ちょっ……いああぁっ!」  全く解されていないカフの尻に、いきり立った男のモノが無理やりねじ込まれた。  固く閉じた蕾をこじ開けながら、容赦なしに奥へ突き入ってくるモノに入り口を引き裂かれ、たまらずに悲鳴を上げる。 「いっ……た……」 「流石に、キツいなあ」  のんびりとした口調を装いつつも少し苦しそうなものを声に混じらせるシザーだが、その顔は興奮で歪んでいる。  乱暴に扱われるのはカフにとって慣れっこだった。何でだか知らないけど、自分につく客は初めは優しくても、回を重ねるうちにどんどん荒っぽくなっていく。  でも、流石に初回でいきなりこんな扱いを受けたことはなくて、それがカフに衝撃を与える。  「っ……ぅ、やだ、痛いっ……」  興奮しきって膨張している男のものがずるりと引き抜かれた。ほっとしたのも束の間、すぐに根元まで一息に挿入される。  傷ついた粘膜から流れた血が、皮肉にも潤滑油の代わりを果たしていた。  「あ、あぁぁっ!」  喉を仰け反らせて苦しい悲鳴を上げる少年に、シザーは舌なめずりをした。まだ、夜は長い。
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