第10話

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「ありがとう、早乙女くん」 ニコリ、と微笑む ロロットに、アルトはやや紅潮する。 「べつに……当たり前のこと言っただけだ」 そう言ってアルトはそっぽを向いた。 ロロットはそんな彼に少し不安を抱いたが、それより放課後のライブのことを考えねばと思い、パンパン!と頬を叩いた。 「おっ、 細波やる気ありそうだな」 その様子を教師に見られ勘違いされてしまった ロロットは、げぇ、と心中零した。 「よっし、この教科書46ページの問2、前に出て解いてみろ」 「はぁ……はい」 大きく肩を落として、教科書を持ち教壇に向かった。 そんな彼女の様子をクスリと笑ってアルトは見ていた。 ―――
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