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「場所がないのなら、作り出せばいいんです」
彼女は少し迷ってからそう言った。
「作り出す?」顔をあげた少年は疑問系でオウム返しに問いかけた。
「あなたが空を自由に飛ぶことを、わたしの世界でえがきます」
「……えがく?」
「はい」彼女は背負っていた鞄を下ろし、中から一冊のノートを出した。
「わたし、文を書くことが趣味なんです。
小説も、書きます。だから、その中であなたが自由に空を飛び回ることを、わたしが書きます」
少年は眉間に皺を寄せて暫く沈黙したあと「今時アナログか」と言った。
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