第0話

3/22
前へ
/353ページ
次へ
銀色の星色に輝く髪をおだんごにした彼女の髪型は、見ように見れば猫の耳にも見えた。 いつもの如く漆黒の瞳を虚ろにし、学校から1人で帰っているとき。 ふと何気なく空を見上げた。 それは特別めいたものでもなく、ただ、気分的なものだった。 そこにはあかね色の夕日に照らされて、逆光の影で黒くなった"何か"が飛んでいた。 横一線に、空に線を引くように。 そして彼女の視線を一集してみせたそれは、やがて逆光の光に解かれ、白くなった。 それは紙飛行機だった。
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!

181人が本棚に入れています
本棚に追加