第0話

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そして瞑っていた片目を開き、リストバンドをじっと見つめてからハッとした。 ――高層マンションの屋上に居る人影は、飛び降り自殺をしていようとしているのではないのか。 いわゆる女のカンというものだった。 自分も自殺未遂を繰り返しては自傷を行っていたし――。 左手首の傷の痛みはそれを連想させた。 彼女は急いで紙飛行機を拾い上げ、高層マンションに駆け込んだ。 ―――
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