第0話

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「これ……あなたが飛ばしたものですか?」 彼女は手に持っていた紙飛行機を見せ、問いかけた。 少年はやはり暫く沈黙していたが「あぁ」とだけ、そうとだけ答えた。 「あなた……死のうと……してますね?」 屋上の端に佇んでいる少年の髪は、風になびきやわらかくやさしくなびいた。 だんまりを決め込んでしまっている彼に、彼女は続けた。 「わたしも……死のうとしているから……いつも死のうとしてるから……わかるんです」 「だからわたしがこう聞くのもどうかと思うんですが……」 「どうして死のうとするんですか?」 彼女の問いかけに少年は暫く応じなかった。 しかし視線をマンション下へ戻すと、口を開いた。
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