全ての影の始まり…

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あの時、自分が見た幻は 幼い自分の感情をただ 笑っている時よりも 泣いている時の子供が、いつも 自分を見つめていた。 たぶん 何も いらなかった… ただ…いつも、あたたかい笑顔が欲しかっただけで、安心出来る場所がほしかったんだと 今になってわかる気がする この世界に生まれて 何も 見えない事ばかりで いつも 手探りしてた … それは 今も変わらない事だけど あの柵を乗り越えて 母親の背中を 一生懸命 追いかけていく子供の後ろ姿が… 今でも 痛い程自分の心に 訴えかけている。 大きな暴力は 自分の気持ちを 脅かし 分裂していく 人格を作り出すように いつも 苦しくて 逃げ出す事も出来ない場所で いつも泣いていた 母が いつも 自分に言い聞かせて来た言葉 絶対に 女には 手をあげてはいけないって 血だらけの 母の顔をふいてあげる事も 出来ない自分は ただ うなずいて 早く 時が過ぎ 大人になりたいと何度も思った…
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