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──校舎内──
クラスを確認し
佳澄は教室へと足を踏み入れる
佳澄
「…」
教室内では 雑談をする女子達や騒いでいる男子がいた
そう
私立 桜華乙女学園は
3年前は女子大であったがいまでは
男女共学校になっているのだ
桜華乙女学園と呼ばれているので
知らない人は女子大と思われているようだ
佳澄
「えっと…」
佳澄は自分の座席を確認し席に座る
???
「よろしくね」
佳澄
「え?」
突然 後ろから声をかけられ佳澄が振り返る
そこには 机に肘をついたまま
見つめるような視線を送る
ショートヘアーの男性が座っていた
佳澄
「…よろしく」
???
「あはは、もしかして緊張してるの?」
佳澄
「えっと…」
???
「大丈夫だよ、いきなり後ろから辞書でゴツいたりしないから」
佳澄
「はあ…」
???
「…」
男は無言のまま 佳澄の顔を見つめる
佳澄
「あの…私の顔になにか?」
???
「君…何か辛い事に遭遇したみたいだね…それも…二年前に…」
佳澄
「!!」
佳澄は一瞬ドキッとしてしまう
なぜ この人は二年前に起こった事を知っているのか
なぜ それが辛い事だったと 知っているのか
彼の瞳に まるで全てを見透かされたような気持ちになり
佳澄はただ黙っていた
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