ある年のクリスマス

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黒木屋に向かって歩き出す。 こんな日も、たまにはいいかもな。 アニメ見たりゲームしたりするより面白いし。 楽しそうに歩いて行く四人の背中を眺めながら、俺はビートルジュースになって初めて 時間がとまればいいのに なんて思ったりした。 どこもかしこも明かりで光り 古い靴下並べてる 誰のせいだか知らないけれど 毎年必ずやって来る 誰か教えて クリスマスとは 一体何なのか 教えろ そこいら中に飾りつけて 町がギラギラ光りだす 幸せ呆けの町人達が 希望と愛を歌い出す ベルの音はうるさすぎるし 子供は蝋燭で火遊び 恋人同士はイチャイチャしだすし バラバラだった家族が集まり涙を流して喜ぶんだってよ 気持ち悪い、どうしてクリスマスだけなんだ?普段からしてれば、そんな必要はねーはずだぜ。 希望と元気それに 幸せふりかけ 無情の喜び安売り 友愛の押し売り 何でもかんでも分かち合いまくり、それがクリスマスってか。そんなもん本当に必要なんかねえ?…まっ、俺には関係ねーけどよ。 どこもかしこもキャンドルつけて みんなでニヤニヤ見つめ合う プレゼント送りあって 抱き合って 愛を喜び合い 勇気をありがたがり 煙突からの侵入者待ちわび でたらめだらけの嫌なおとぎ話 クリスマスなんて無くなればいいのさ 「メリー・クリスマス」 END
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