ショート☆ショート

公園で

｢奥さんのアイディア勝ちさ。

奥さんの友人に、新聞の印刷業者がいる。宝くじの部分だけ、それも10万円の部分だけ、変えてもらったのさ。

もちろん一部をな。その一部を、公園のベンチに置き、宝くじ売り場の売り子も知り合いだったから10万円を渡してもらうように、頼んだ。

もちろん公的には悪いことだろうが、快く承諾してもらい、協力してもらったそうだ。まあいくらか実費を出したらしいが。｣

｢じゃあ当たったのは偽りだったと？｣

｢そうさ。だけど、それで男のやる気を引き出したんだから、凄いものさ。｣

｢全くだね。

そんな奥さんなら、我々も欲しいものだ。｣

｢全くだね。｣

親友と同僚は、おちょこをカチリと合わせた。