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「よ。遅いぞ。」
「ケン君。」
ケン君の家まで来ると、ケン君は玄関に立っていた。
「本当にいいんだな?」
ケン君の念押しに、ミキは頷いた。
じゃあ、と手を繋ぐケン君と一緒に、ミキは歩き始めた。
かけおち、をするのだ。
「ケン君こそ、いいの?帰るなら今のうちだよ?」
「別に。俺は平気だよ。
けど、こんなんで本当に上手く行くかな。」
「…わかんない。でも、これくらいしなくちゃ。」
唇を尖らせるミキを見て、ケン君はふぅんと笑った。
そもそも、ミキとケン君は、別に好き同士じゃない。だから、かけおちをする必要は、ない。
ケン君は気まぐれで、ミキの大胆作戦に協力しているのだ。
そんなケン君のためにも、どうか成功しますように、とミキは思った。
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