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その後、その子供の保護者と思われる女の子が来て、ひたすら俺に感謝してくれた。
人間として当然の事をしただけなのに、どうしてこんなに感謝されるんだろう。
「ありがとうございます……ありがとうございます」
さっきからこの調子だ、まぁ俺としては嬉しいんだが……
ゲッ!!時間が!!
「ごめん!!俺急いでるから!!じゃ!!」
「え?ちょっ、待って下さい!!」
「無理!!」
よし、超えろ俺!!光の速度を越えて!!あの場所へ!!
「うぉぉぉぉぉぉっ!!」
よし!!着いた!!レジに直行だ!!
「すいません!!今日発売された限定モデルのヒーローフィギュアをくださ……」
「売り切れです」
「……い?」
売り切れ……です?
そんな馬鹿なぁぁぁぁぁっ!!
「申し訳ございません……」
これはショックだ……体から魂がひょろひょろと抜け出した気分だ。
燃えたよ……真っ白な灰に。
……帰るか。
「うぅ……」
俺は肩をがっくりと下げ、とぼとぼと店を出た。
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