正義のヒーロー､ここに在り!!

ヒーロー見参!!

｢ぐっ……はぁっ!!｣

さっきの野郎……まさか気絶してなかったなんて｡

しかも手にはスタンガンか……参ったな｡

いや､ピンチはヒーローの引き立て役……いわばサクラだ｡

この野郎､分かってくれてるぜ｡

しかし……それにしては痛かったな｡

｢くっ……後ろからとは卑怯な!!正義のヒーローとして成敗してくれる!!｣

俺は思い切り右足を踏み込み､歯を食いしばる｡

｢正義のっ……鉄槌をぉぉぉぉっ!!｣

俺は拳に全身全霊の力を入れ､全力でぶん殴った｡

｢……なっ､なにぃ!?｣

俺のパンチは当たっている｡

だが､相手はビクともしない｡

眉一つ動かさないなんて……まずい､このままじゃシナリオが狂う｡

｢はっ､ぐぁぁっ!!｣

不安が頭をよぎった時に､俺は一瞬の隙を作ってしまった｡

その間に間合いに詰められ､俺は強烈なデコピンをくらう｡

そもそも本当にデコピンの威力なのか？頭が残ってる事が不思議に思うぜ｡

｢だっ､大丈夫ですか!?｣

｢……行け｣

｢え？｣

｢俺に構わず逃げろ!!早くしろ!!｣

この女の子だけは傷つけたくない､こんな野郎の攻撃をくらったらただじゃすまない｡

やれやれ……いきなりハードすぎるぜ｡