ヒーロー見参!!

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「で、でも……」 「早く!!」 「っ……は、はい!!」 女の子は俺に背を向け、その場から離れた。 「彼女の元には行かさんぞ、この俺がな!!」 「必要ない」 すると、今まで無口だった男は急に口を開く。 「私の目的は初めからお前……お前の汚れ無き正義の光」 「正義の……光?ハッ、俺をダークヒーローにしようってのか?」 しかし……正義の光ってなんだ? 知った風な事を言ったが、いきなりすぎて頭がついていかねぇ。 ……まさか、俺をおびき寄せるためにあの女の子を? しかし、なぜそんな周りくどい真似を。 「では、覚悟」 男は俺に近づき、俺の頭を鷲掴みにして吊るし上げた。 なんて力だ……本当に人間か? 「甘い!!」 しかし、俺も黙っちゃいない。 今の俺の状態を利用して、男の土手っ腹を数発蹴る。 「どうだっ!!」 しかし、男はビクともしない。 「光を貰うぞ」 すると男は、俺の胸に手を当てた。 「な、何をする気だっ!!」 分からない、だが一つだけ分かる。 この状況は、非常にマズい。 くそっ……情けないっ。 俺は心の底からそう思った。 だがその時…… 「はっはっはっは!!待たせたな!!」 正義のヒーローが現れた。
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