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私の目に入ったものは、一つの小さな石だった
小さな、翡翠の石だった
「暗闇の中 濡れるベッドで
涙を流して
泣いているのは君かい?」
私は
ただの非情な人形
貴方は誰?
私を殺してくれるの?
「怯えなくてもいいさ 殺したりはしない 愚かで脆い王女様? 」
さぁ
今宵も
小さな小さな小さな花が
小さい小さい音を立て
悲鳴も無いまま消えて行く
それを僕は見届けよう
「貴女の犯した罪は 誰もが気付いているのかい?」
当たり前よ
だって私…
「忘れたいかい?」
当たり前よ
だって
私
欲望のままに
彼を
「その術は貴女が消える事かい?」
分からない
「償いきれるかい?」
分からない
誰も知らない
犯した罪に気付いて無い
翡翠が大きな音を立て
地面に散らばり砕け散る
皮肉だろう
こんな小さな翡翠でさえ
こんなに綺麗な輝きを放ち
こんなに大きな音を響かせて
消えて行くというのに
この小さな少女は
誰に見られることも無く
もう間も無く消え逝くだろう
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