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「ま、まずし事なのよ…。」
イギリス清教の最大教主(アークビショップ)、ローラ=スチュアートは焦っていた。
彼女は床まで届き更にそこから上に跳ねている長い金髪の一房をいじりながら口元に手を当てていた。
(まさかアレが盗まれけるとは。もしアレがローマ正教やロシア成教に渡りし時は…。)
最悪の展開を想像し身を震わせる。それほどまでに彼女は「アレ」が他に渡る事を怖れていた。
(神裂やステイルを使いたるか…否、彼らは今禁書目録(インデックス)の回収に向かわせたるところ。なれば土御門…は更に危なしよ。)
うんうんと頭を抱える最大教主。「アレ」の存在は例え同じイギリス清教の者にもあまり知られたくはない。「アレ」が明るみに出れば間違いなく自分の威厳は失墜する。
(なれば、方法はただ一つ。)
彼女は意を決し受話器をとった。
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