日常への珍入者

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清花(さやか)は起き抜けに近くの女生徒に遅いかかる。きゃあと女生徒がかわすと清花は猫の様に着地するとギラリと凶暴な目を向ける。そのまま清花と女生徒達の追いかけっこになる。 「陰口叩いたのは悪かったって~。でも頭悪いのは事実じゃん。」 「黙れー!今すぐその口を塞いでやる!」 清花は真剣だが女生徒達はキャッキャッと楽しんでいるように見える。まぁ、それを知ったら清花は更に怒り狂うと思うので男性教師は知らんぷりを決めこんだ。 「じゃあさ~、試してみようよ~。」 「何を!?」 「5たす9は?」 ピタ ドタバタと賑やかな音が止まる。清花はパーとグーを作り、グーの指を一つずつ広げていく。 「えっと…6…7…8…9…10…はっ、先生どうしよっ指が足んない!」 全部開ききってその事実に気づき助けを求める。 「うんうん…分かったから。よーく分かったからな。」 男性教師は涙ぐみながら清花の肩を叩く。 「ち、違うよ先生っ。あ、アタシは数学が苦手なだけなんだから。他だったら… 「御子柴(みこしば)は数学というより算数から始めような。大丈夫、先生がいつまでも付き合うから。」 「えっ、いやだからあの…そこ!茶化すな!」 生暖かい眼差しで見つめる男性教師とそれにうろたえる清花、それをはやしたてる女生徒達。 そんなこんなでその日の補習が潰れたのは記すまでもない。
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