荒れた毎日

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 不意打ちの攻撃に相手はお腹を抑え、縮こまる。鳩尾に蹴りを食らっても吐かないなんて大した奴だと感心しながら、他の奴にも目を配る。  そうすれば、先ほどまで優勢だったこの状況に相手も少々怯んだのか俺に対し、じりじりと後ず去っていく。  そんなことで俺が許すはずもなく逃げ回る奴を殴り、蹴り上げる。    そうすれば俺の手には自分の血か相手の血かも分からないほど、赤く染まっていた。    俺の足元に最後の一人が倒れ込む。残るは後一人。 ――…崎本だ。  路地には倒れ込んだ奴等の呻き声が木霊する。もう辺りは暗くなり、この路地に街灯の光が灯り始める。  その光はドラム缶に座っている崎本を照らしていた。崎本は不適な笑みを浮かべながらドラム缶から降り、地面を蹴り歩く音を響かせながら俺との距離を縮めていく。 「――…息上がってるみたいだけど大丈夫?」  喉をクックと鳴らしながら崎本の瞳に俺が映し出される。 「こんなの…っ準備運動にもならないね」  口角を上げ挑発的な言葉を口にするが、崎本の言う通り俺の息は上がり喋る度に頬が激しく痛む。  顎に垂れてきた汗を拭おうと顔をワイシャツの袖で拭えば、袖は赤黒い血によって染まってしまった。  腫れているだけではなく、出血もかなり出ているらしい。
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