荒れた毎日

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―――… 「おや、まだ残ってらしたんですか?上条さん」  上条と呼ばれた男は見ていた書類から目を離し声の主へと視線を移す。 「あぁ…少し調べていてね。松田はもう帰っていいから」  松田と呼ばれた男は、上条が見ていた書類を見てあぁ、と小さく呟き眉を顰める。 「…こいつを調べていたんですか?」 「ん?なんだ…松田は知っているのか?」 「知ってるも何もこいつは結構校内でも有名ですよ」 「そうか…」 そう上条は一言返せば、書類へと視線を戻す。 「…もしかして、そいつに興味がおありで?」  松田が上条に尋ねれば、上条は目を細めニヤリと口角を上げた。 「さて、…どうかな」  その目は一瞬鋭く光り、書類に貼られている写真を見て目を細める。 ――その書類には、“柳本 啓介”の名前と写真、そして柳本自身の情報が長らく綴られていた。
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