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―――…
「…っ、痛ってぇ」
朝日が登りカーテンから覗く眩しい光に目を覚ます。
起きて上体を起こせば体に鋭い痛みが走る。苦痛に眉を潜めるも、ベッドから体を出し、洗面所へと向かう。
鏡に映るのは、腫れ上がった頬や、青くなった目の周り。口元も酷いことになっていた。
あれから帰って来て顔を見たら今よりも酷かった。顔面血だらけで、お化けみたいになっていた。
帰ってくる途中、塾帰りなのか、小学生ぐらいの男の子が俺の顔を見た瞬間飛び上がり、泣きながら逃げて行った光景を思い出し、苦笑いした。
「――ってぇ!!?」
顔を洗おうと水を浸けるとかなりの痛さが襲った。
いくら絆創膏や湿布を貼っても水には勝てないらしい。
「…よし」
俺は意を決し、顔を思いっきり洗った。
柳本の家では朝っぱらから、叫び声が響き渡った。
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