荒れた毎日

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「――ここの問題ではxに代入し、yは―…」  教室に響き渡る教師の声と黒板にカツカツと鳴り響く特有のチョークの音。  そんな光景を尻目に俺はちょうど窓から見える綺麗な桜の木を眺めていた。  今日は高校二年になった初日の授業。学年が一年上がっても、クラスの奴らの顔はあまり変わってはいない。  この学校では入学時に系列別に分けられるので、クラス替えをしたとしても、数人が変わるだけでほとんどが同じ顔。  教室内を見渡しても、皆、黒板とノートを交互に見つめ教師の話を聞くのがほとんど。聞いているだけで眠くなる教師の声に俺は嫌気がさしてくる。  こういう場合、ゲーセンや家に帰り遊んだりして、有意義な時間を過ごした方が面白いだろう。  そう考え思った俺は、授業中なのにも関わらずガタッと音を立て、立ち上がる。  そうすれば、教師の話す声は止まり、クラスの奴らは一斉に俺の方へと振り返る。
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