ご主人

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「ちょっと何鍵なんかかけ―」 俺の言葉を遮り奴は言った。 「柳本啓介だよね…?」 「な…んで俺の名前」 そんな俺の言葉に奴はニヤリと笑った。 「君のことは全て知ってる。」 何言ってるんだ、こいつは。 俺のことを全て!? 馬鹿馬鹿しい。 ていうか、いつまで俺の腕掴んでるんだこいつは。 俺は奴の腕を振り払おうとしたが、奴は見た目より力があるらしく、ギュッと腕を掴む手を強めた。 俺はキッと睨み付けた。しかし奴はそんな俺に喉をクックと笑うだけだった。 「信じてないでしょ?本当に君のことは全て調べたんだ」 そう言い奴は目を細めた。
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