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奴の言ってることがわからなかった。
――楽しませる!?何をだ…?
「お…前、何言ってんだよ」
俺がそう言えば奴は
ニヤリと笑い、掴んでいた俺の腕を引っ張り黒い革の長椅子に座らせた。
俺は奴の力に驚いた。
身長だって俺のほうが大きいし、奴は俺よりも細い。
そんな奴に俺はなにも抵抗できなかった。
――力だけではない。
俺が一番驚いたのは奴の目だった。奴の目は鋭く光っていてすごい威圧感だった。
…逆らえない。俺はこいつに逆らうことなんてできない。
何故かそう思った。
俺が黙りこんでいると、奴は目を細め楽しそうな声で
「あれ?どうしたんだい?…あの反抗的な君はどこにいったんだい?」
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