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俺は返事をしなかった。
いや、返事なんてできなかった。奴の目を見るだけで体が震えた。声なんか出したら
震えているのを奴に教えるようなもんだ。
「…へぇ、僕の質問に答えないつもり?」
俺はそいつから顔を背た。
…こいつに関わるとやばい気がする。早くここから出ないと。
俺は腰を上げ立ち上がろうとした。
その行動に奴は、俺が立ち上る前に反応し俺を長椅子へと押しつけた。
腕を押さえつけらているので俺は立ち上がることができない。
「…なにすんだよ!!」
俺は言ったが、奴はさっきまでニヤニヤしていたのに
今では眉を寄せ目を細めていた。
…俺、なにか悪いことしたか?
奴はゆっくりと口を開いた。
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