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「はぁ…はぁ…てめぇ何してるん…だよ」
俺は肩で息をしながら言った。奴の片手は俺の腕を掴み、もう片方の手は今だ俺の顎を捕えていた。
奴は唇を舐めながら、言った。
「何言ってるの?
…君は僕のペットだ。君に拒否権はない」
奴はそう言うと、俺の顎から手を放し俺のネクタイに手をかける。
俺は制止を訴えようと口を開こうとしたが、奴の目を見れば
――逆らうな
と言っているかのように目を細めた。
…どうして逆らえないんだ。
奴は俺からネクタイを取り、器用に俺の腕をネクタイで縛りあげた。
腕を動かしてみるがネクタイはビクともしない。
奴はそんな俺を見て、喉をクックと鳴らし笑った。
そして、空いた手で眼鏡を外しガラステーブルへ置いた。
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