誘惑そしてお仕置き

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 ガチャと屋上への扉を開けると、外からの風が一気に流れ込む。空は青々としており雲一つない、快晴だった。  しかし、雲一つない空にどこからか白い煙が上っていた。 俺は何処から出ているのかと、辺りを見回していると男子生徒達の姿を見つけた。 その姿には見覚えがあり、俺はその生徒達に近づいた。 俺の近づく気配を感じたのか、生徒達はこちらに振り向く。 「あれ、柳本じゃん」 そう言い笑顔を向けてきたのは三年生の先輩二人。 それに続いて初めて目にする男が一人。ネクタイの色は紺色なので一年生だろう。 先輩達は片手に煙草を挟んでいるので、煙の正体はこの人達だろう。 「先輩達もっスか」 俺がそう言うと、ニヤリと厭らしく笑う先輩達。 俺はそれを見てニヤリと返すと、隣に並び煙草に火を点ける。 「あ…あの!」 一年の奴がそう俺に話しかける。俺と、先輩方は一斉にその一年の方へと顔を向ける。 「もしかして、柳本さんって明高の奴らとヤり合ったっていう?」 そう言う一年の目はキラキラと輝いている。俺はそれに苦笑しながらまぁ、と一言返した。 「まじっスか!いやーあの明高の奴らとヤり合うなんてマジ憧れっス!」
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